周りの人間は自分の鏡である

最近、同僚の1人が職場を退職すると発表しました。新しいステージに行きたいというのが表立っての理由でした。

「表立って」と言うのは、本人が別の理由を明かしたわけではありません。最近のその人の言動を見て察したのと、環境を変えるというのは大きなことですので、やはりいくつかの要因が重なって背中を押したのではないかと推測したわけです。

僕が察して、推測した内情の理由というのは、周囲の環境や人間関係という要因です。

人のストレスの多くは、人間関係や周囲の環境に対する不満にあります。

よく「周りの人間は自分の鏡である」と言います。これは自分の成長段階や人格に合わせて、ふさわしい人たちが周りにいるという考え方です。

これは至極当然のことで、能力が格段に高くて、その職場に不相応な人は、自然とその能力に見合う職場から声がかかりますし、自分で選ぶことも可能です。

プライベートの付き合いでも、似た価値観の人と付き合うので、同様に自分の段階と合った人が集まりやすくなります。

環境によって付き合う相手を選べないこともあるので、全てに当てはまるわけではありませんが、傾向として、よく真理を表した言葉だと思います。

恋愛について「周りにいい男(女)がいないと言う人は、自分自身がそのような女性(男性)ということです」と切り口鋭く断言した本を読んだことがあるのですが、これも同じことを話していると思います。

さて、自分の周りに嫌な人や合わない人がいたら?
周囲の人たちと考えが合わずに、そこから離れたいと思ったら?

それは自分がその場所から離れるタイミングを教えてくれているのかもしれません。僕にも経験があるのですが、自分が成長して段階が上がると、今まで気が合って楽しく付き合えていた相手と話が合わなくなり、疎遠になることがあります。

また、嫌な人や合わない人とどうしても付き合わなくてはいけない場合は、そこに自分が成長するヒントが隠されていることもあります。

自分がその人に嫌悪感を抱くのは、本当はやりたいけどやれないことをその人がしているからだと、深層心理の考え方があります。

そのような嫌な人たちと付き合い、克服していくことで、自分の人間性がずっと大きくなる場合もあります。

しかし、それもバランスが大事で、心身の調子を崩すほどのストレスになるなら、やはり頑張り過ぎずに、その場から離れる手段を講じた方が良いでしょう。

退職する同僚が人間関係をどのように感じていたのかは推測するしかないのですが、もしかしたら、新しいステージに行きたいという気持ちを後押ししたかもしれません。

そうだとしたら、それがその人の人生の流れであって、前途が明るいものであるように祝福したいと思うわけです。

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兼業作家。2023年4月『園井恵子 原爆に散ったタカラジェンヌの夢』(国書刊行会)上梓。歴史全般が興味の対象ですが、最近は大正~昭和の文化、芸術、演劇、映画、生活史を多く取材しています。プロフィール写真は愛貓です(♂ 2009年生まれ)。よろしければTwitterのフォローもお願いします。(下のボタンを押すとTwitterのページに移動します)。