新型コロナウイルス感染予防のため、3月から散髪と食材の買い出し以外の外出を控えていたのですが、8月1日は人と会うために久々に出掛けました。案内してもらったのが、今回紹介する「風の谷絵本館」です。
長野県上伊那郡飯島町という場所にあります。周囲は田んぼに囲まれて、道は次第に細くなり、隠れ家らしい空気を醸し出しています。

まるでジブリの映画に出てきそうな外観(令和2年8月1日撮影 以下同)

お店の入口
その落ち着いた雰囲気にすぐにお気に入りになってしまいました。内は広いメインスペース、喫茶軽食用のテラス席、2階の絵本文庫、地下のミニギャラリーから構成されています。

1階メインスペース(展示スペース)

1階ではアフガニスタンの支援中に現地で亡くなった中村哲医師の展示が行われていました。

中村医師は2004年に飯島町に講演で訪れて、風の谷絵本館で打ち上げをしたそうです。
絵本の収蔵は3000冊以上で自由に見ることができます。子供にも大人にも絵本の楽しさや面白さを感じてもらえたらという思いから、手作りで建築を始め、2001年10月に開館したそうです。

2階の絵本文庫。梯子をつたって隠れ部屋から周囲を一望できる展望台につながっています。
現在は新型コロナウイルス感染予防のため、イベントの開催は未定となっていますが、定期的に絵本の原画展や作家の招待、読み聞かせなどイベントを開催しているとのことです。

ご縁があった作家たちの作品が並んでいます。ポストカードなどお土産も販売しています。
畑に行くところだったというご主人が顔を出してくださり、色々とお話ししてくださいました。絵本のタイトルをつないでひとつのストーリーにするという独特の読み聞かせも披露していただきました。「本当は中身を一つ一つゆっくり読むのが良いのだけど、こうすると色々な本を見てもらって興味を持ってもらえる」とのことでした。

本のタイトルをつないでひとつのストーリーを作るという独特の読み聞かせの風景です。
「この色々な本がある中で、特別思い入れが強い1冊はありますか?」と尋ねてみました。「100冊くらい選べるなら良いんだけど1冊は難しいなぁ。でもこれなんかどうでしょう」と選んでいただいたのがバージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち』でした。「これ昭和17年のアメリカの絵本なんです。こんな話を当時作っていた国に戦争で勝てるわけないなって思いました」と読んだ時の印象を語ってくれました。もとはのどかな田舎にあった家が、周囲が近代化していく中でただ1軒残されていく姿を描いています。ユーモラスであるのですが、どこか悲しく寂しくも感じさせます。1952年にはウォルト・ディズニーにより短編アニメ映画が作られています。

「1冊の本」に選んでいただいた『ちいさいおうち』を手に持っていただいて。

テラスの喫茶・軽食スペース。ゆっくりくつろいで話すことができます。
〈風の谷絵本館〉
住所:長野県上伊那郡飯島町飯島44-10
開館時間:午前10時~午後5時
休館日:水曜、木曜、年始年末
入館料:無料(ギャラリーは有料の場合もあり)
駐車場:一般車10台
※ 貸し切り時や感染予防のために休みや営業時間は変更される場合があります。遠くからお越しの際は事前に電話で問い合わせすることをお勧めします。
電話・FAX:0265(86)5546

風の谷絵本館を経営されているご夫婦。素敵な時間をありがとうございました。
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