遺された者たちに過ぎる時間【2024年移動演劇桜隊追悼会記】
堀川惠子さんの『原爆供養塔』という作品に次のような文章がある。 8月6日は日差しの強い夏の盛りがよく似合う。たが、今年はやや雲が多く、日が陰った空だった。 目黒駅から五百羅漢寺への道は去年一度歩いただけだったが、坂の…
堀川惠子さんの『原爆供養塔』という作品に次のような文章がある。 8月6日は日差しの強い夏の盛りがよく似合う。たが、今年はやや雲が多く、日が陰った空だった。 目黒駅から五百羅漢寺への道は去年一度歩いただけだったが、坂の…
映画の制作発表が行われ、生涯を書いた本も出版され、所属した桜隊追悼会では特集が組まれて、今年は園井恵子への注目が例年以上に強かった一年のように思う。園井恵子は元宝塚少女歌劇団出身で、戦前映画の名作『無法松の一生』では阪東…
〈アイキャッチ画像は、丸善丸の内本店3階 Cafe 1869 より〉 台風7号がいよいよ上陸に迫った2023年8月14日の午前。前日までワークショップを受けて東京に滞在していた僕は、名古屋に帰る前の時間を使ってシナリオ・…
その日は雲こそいくらか見えるものの、日差しは盛夏そのもので、歩く度に汗がにじんだ。JR目黒駅から坂を何回か上り下りする道は暑いに決まっているのだが、点在する神社仏閣の恩恵か、緑の日陰がさりげなく歩く者に手を差し伸べてくれ…
2023年4月25日、自著『園井恵子 原爆に散ったタカラジェンヌの夢』が国書刊行会より発売されました。この書籍は戦前に宝塚少女歌劇、映画、新劇などで活躍し、未来の大女優として将来を嘱望されながらも広島の原爆により32歳で…
目次1 残されたブロマイド2 背景~戦前宝塚の黄金期3 「脇役に園井恵子の名演技」4 園井恵子の人間観5 ファンが愛した園井恵子 残されたブロマイド 最近、園井恵子さんの貴重なブロマイドの画像を分けていただきました。持ち…
目次1 千村克子さんと日記2 園井さんと千村さん3 ヨーロッパ公演と水晶の夜4 宝塚少女歌劇の息吹5 一人の女性として6 最後に7 引用・参考文献 千村克子さんと日記 園井恵子さんの伝記の完成まで長い時間が必要でしたが、…
オークションで珍しい品を手に入れました。昭和17年9月東京宝塚劇場での雪組公演のパンフレットです。 園井恵子の宝塚歌劇団での最後の公演です。園井は新劇に転向するため、本当は昭和17年5月(宝塚大劇場雪組公演4月26日~5…
園井恵子さんの伝記を書く際に最も大きな問題になったのは、すでに死後60年以上(当時)が経過していて、同時代を生きていた人がすでに亡くなっていたか高齢で証言できない状況だったことです。そのため、自著『流れる雲を友に 園井恵…
「園井恵子を語り継ぐ会」のFacebookページから、『無法松の一生』のフィルム修復が進められているという情報がリリースされたのが一昨日(2020年7月13日)。 この「修復」の意味を解きあぐねていて、少し気になっていま…