10年日記のすすめ

僕は日記を勧めることはまずないのですが、10年日記はよくお勧めします。もちろん、文章を書くことが苦にならないことが条件ですが、もし続けられるなら、やってみて損はないと思います。

そもそも、10年日記とはなんでしょうか? 文字通り、10年分の日記あるいはそれを書くことができる日記帳をさします。ひとつのページに10年分全てを書くことができることが特徴で、例えば2018年から始めたら、2018年から2027年までの同じ日付をひとつのページに書くというものです。

姉妹版に5年日記や3年日記というものもあります。

この複数の年数を同じページに書けるというのが特徴で、もしそうでない10年日記帳があるなら、それはお勧めしません。

10年前の自分を想像してほしいのですが、大きく自分も周囲も変わっているのではないでしょうか。僕の場合は周囲の付き合っている友人も変わりましたし、職場も何回か変わりましたし、一生懸命やっている趣味も変わりましたし、ブログはやっていませんでしたし、恋人がいる時期もいない時期もありましたし、とにかくたくさんの変化をしています。そして、10年後もおそらく同じように変化があると思うのです。

もし成長のために何か頑張っている人なら特にお勧めです。自分の成長の軌跡が10年分まとめて見られることは何より励みになります。

5年日記でも良いのですが、変化を楽しめるようになり始めたくらいで日記帳が終わってしまいます。10年日記なら5年目くらいでも記録がたまり、それなりに楽しめるようになります。「5年前はこんなことしてたんだ」とか「この時はこの人とよく会っていたな」とか記録を眺めた方が楽しいに決まっています。時には「この人誰だっけ」というのも10年も続けていると必ずあります。それも醍醐味です。そういう点では3年日記はあまりお勧めしません。

他にもメリットがあり、10年分をひとつのページに収めようとすると、必然的に1年に使える行数が少なくなります。その分、1日に書く内容も少なくなりますので、量を書くプレッシャーからも解放されます。僕の場合は、朝、書き忘れたことに気付いても出勤前の5分くらいで書くことができます。

3年日記だと行数を埋めないとどうしても貧相に見えてしまいます。そのような点も3年よりも5年、5年よりも10年をお勧めする理由でもあります。

書く内容がないと悩む人もいますが、本当に何を書いても良いのです。仕事で腹が立ったことや誰かに助けてもらって感謝したことでも良いですし、夢を見た話でも、休日に家でテレビを見ていたなら番組の内容でも良いと思います。

与えられているのは3~4行なので、一日の全てを書くことはできません。出来事とその感想を書けばだいぶ埋まってしまいます。その時に真っ先に思いついたことをそのまま書けば良いのです。

僕の場合、最近は仕事とブログの話ばかりです。しかし、それでも良いと考えています。「この時期はブログばかりやってるな」と後できっと振り返るでしょう。

文章を書くことが苦にならない人でしたら、何年か後の投資だと思って、10年日記を始めてみたらいかがでしょうか? 大きな楽しい実りを収穫できると思います。

ABOUTこの記事をかいた人

兼業作家。2023年4月『園井恵子 原爆に散ったタカラジェンヌの夢』(国書刊行会)上梓。歴史全般が興味の対象ですが、最近は大正~昭和の文化、芸術、演劇、映画、生活史を多く取材しています。プロフィール写真は愛貓です(♂ 2009年生まれ)。よろしければTwitterのフォローもお願いします。(下のボタンを押すとTwitterのページに移動します)。