原稿用紙の書き方【一般編】(シリーズ文章の書き方②)

前回は小学校で習う原稿用紙の書き方についてまとめました。基本的に高校までの学校生活においては、指定がなければ、その書き方で問題ないように思います。

しかし、大学での論文執筆や社会人生活を考えると、小学校からの原稿用紙の書式では見栄えが悪く、あまりお勧めできません。(原稿用紙に書くこと自体がほとんど機会がないと思いますが……)。

今回は大学生や社会人などが文章を書く上での基本的な書き方を書いていきたいと思います。前回同様に原稿用紙からはじめて、ワープロソフトでの場合、ブログなどWeb上に書く場合にも言及していきたいと思います。

大学生、社会人での原稿用紙の書き方

大学生、社会人でも、それまで習ってきた方法で書いても間違いではありません。ただし、小学生の場合は「書き方を覚える」段階で学ぶものであり、見栄えよりも覚えやすいことを重視しているように思います。もし、大学生や社会人で書き方に迷ったら、新聞や小説を開いてもらうと良いと思います。その書き方を真似てもらえば大きな間違いはないように思います。

ここでは前回の【学生編】と違う点についてのみ書いています。

・題名、氏名、本文の始まり
例文では題名は2行目、氏名を4行目、本文を6行目から始めています。決まりはありませんので好みだと思います。作家が書く原稿ではもっと題名、氏名、本文までで行数をとっている場合もあります。

題名は上を2~3マス空けます。氏名の下も1~2マス空けます。名字と名前の間も1マス空けると読みやすいです。これらの点は小学校で習うものと変わりません。

・会話文での「」の使い方
会話文でのかぎ括弧が終わる時に(。)を付けていたと思うのですが、新聞や雑誌に習って付けなくて良いように思います。会話の最後に(。)を付けると、新聞や小説を読み慣れた人からすると違和感を感じると思います。

・記号の使い方
「?」や「!」などの記号も句読点と同様に1マスを使って書きますが、文中で使う場合はその後の1マスを空けます(小学生ではどのように習うのか不明ですので、必要な場合は先生に聞いてみてください)。また「……」を2倍リーダーと言いますが、文中で使う時は例文のように「……」で句読点を付けずに文章をつなげるか、「…」で1マス空けてもかまいません。文章の終わりの時には(。)を付けます。

大学生、社会人での文章の書き方(ワープロソフトの場合)

現代では手書きで文章を書くよりも、パソコンのワープロソフトで打つ方が多いと思います。原稿用紙とワープロの違いと言えば、前者には主に20×20という基本フォーマットがありますが、ワープロにはそれほど決まった書式はありません。書き方の基本は変わりませんが、用途によって書き方が変わるというのはあると思います。

まずレイアウトに気をつけよう

まず、一番注意すべきはレイアウトです。下の2つは同じ文章で、字の大きさも文字数も同じです。行の間隔だけを変えています。どちらが読みやすいでしょうか?

下のレイアウトも文章が一緒で、行と文字の間隔を変えています。いかがでしょうか?

一番下の例などは「こんなことする人いないよ」と思うかもしれませんが、実際に僕は何度か見たことがあります。病院に勤務していた時に実習生のレポートでこのような書式で書いてくる人がいましたし、社会人になってからも「書いた小説を読んでほしい」と同様なことがありました。もし、文芸のコンクールでしたら、内容以前にこのレイアウトでまともに読んでもらえない気がします。

不思議なのですが原稿用紙だと気にならないものが、ワープロの文面だと間隔が適切でないと違和感があるのです。最低限のマナーとして読みやすいレイアウトを心がけましょう。

レイアウト以外では原稿用紙のルールと変わらない

ワープロ形態であっても、基本的に書式のルールは変わりません。論文であれば書式に指定がありますので、それに従うべきですが、その他で指定がない場合はレイアウトに気をつけて、原稿用紙の書き方と同様に書けば問題ないと思います。時々、原稿用紙のフォーマットにわざわざ変えて提出しようとする人がいますが、原稿用紙に打ち込まれたワープロ文字は見にくいので、理由がない限りは避けた方が無難でしょう。

大学生、社会人での文章の書き方(Webの場合)

最近はブログなどでWeb画面用に文章を書く人が増えていると思います。Web画面であれば見やすさが優先で、もちろん句読点、かぎ括弧、記号の使い方の基本は一緒ですが、その他にも便利なツールが色々あります。それらを活用して、より伝わる文章の作成に努めましょう。

段落の始まりでも1マス空けなくて良い

例えば、新聞社のネットニュースなどでは、原稿用紙の書き方に則って段落の始まりは1マス空けています。しかし、個人のブログでは1マス空けていないものも多く見られます。1マス空けていなくても、それほど違和感なく見られます。Webの文章に関しては公的な意味合いが強くなければ、段落始まりでも1マス空けなくても良いでしょう。

改行を上手く活用しよう

書籍や論文では、ある程度文章の量がまとまったところで改行します。行を空けるということは多くはありません。頻繁に改行して、行を空けているようではスカスカな文章に見えてしまいます。しかし、Webにおいては頻繁な改行と1行空けることが多いです。不思議ですが、Webに書かれた文章が行空けがなく、ずっと文章が続いていると、非常に重たく感じてしまいます。

この記事の冒頭部分ですが、上が現状の文章、下が改行と1行空けをなくしたものです(画面はパソコンのもの)。見た目の印象がずいぶん変わることがお分かりいただけると思います。パソコンよりもスマホの方がさらに重たい印象が増します。パソコンの画面ではちょうど良いと感じても、スマホを意識すると文章のまとまりをもう少し小さくした方が見やすいように思います。

パソコンで文章を書いている人がほとんどだと思うので、スマホの画面でも見た様子を確認してみると良いと思います。

Webにしかないツールを活用しよう

Webには原稿用紙にはない便利な機能がいくつもあります。このブログ内でもいくつか使っています。当ブログはワードプレスというソフトウェアを使っていますが、ワードプレスでは「プラグイン」と言って、後付けで機能を追加することができます。方法によっては文字の色 を変えたり、マーカーを付けることもできます。

ボックスも有効な機能です。強調したい内容や引用などで使用しています。

また、このブログでは使用していませんが、絵文字を使えるようにするプラグインもあります。その他にも様々な機能があって、工夫次第でWebの文章をきれいに修飾することができます。

これらは自分が演出したいブログやホームページの雰囲気に合わせて活用すると良いでしょう。例えばブログでも、固めの書評がテーマであれば修飾は控えめにした方が良いでしょうし、ファッションや美容をテーマにするのであれば明るめの修飾を施しても良いでしょう。

また、ワードプレスほど自由にはいきませんが、「アメーバブログ」や「はてなブログ」など無料ブログサービスでも、ある程度の修飾は可能です。他のユーザーのブログを参照して、「いいな」と思った部分は自分でも取り入れるようにしましょう。

まとめ

大学生や社会人などが文章を書く上での書式的なポイントをまとめました。原稿用紙の場合、ワープロソフトでの場合、ブログなどWeb上に書く場合と分けて説明しました。

大学生や社会人の場合、小学生や中学生が書く場合と違い、書式的なことについてそれほど厳しく言われることはないと思います。論文などで書式が決まっている場合は別ですが、それ以外ではその文章の目的や対象をわきまえて、見やすく伝わるように心がければ良いと思います。

文章で大切なのはもちろん内容ですが、見た目に問題があると、読まれる前に印象を悪くしてしまうのも事実です。そのようなことがないように書き方やレイアウトにも気を使うようにしましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

兼業作家。2023年4月『園井恵子 原爆に散ったタカラジェンヌの夢』(国書刊行会)上梓。歴史全般が興味の対象ですが、最近は大正~昭和の文化、芸術、演劇、映画、生活史を多く取材しています。プロフィール写真は愛貓です(♂ 2009年生まれ)。よろしければTwitterのフォローもお願いします。(下のボタンを押すとTwitterのページに移動します)。