努力を続けても結果が出ない場合、最初に考える処方箋はさらに努力を続けることです。高い技能の向上には、まず相応の練習量が求められるからです。次に努力の方向が合っているのか考えます。練習の内容が目的と合致しているのかよく分析します。
しかし、時に全く次元が違うような壁を感じることがあります。自分の内面に根本的な足りなさがあるように感じ、それは努力の量とか方向とか、そのような問題ではないと直感的に感じます。
日常生活において、今の自分ではどうしても上手くいかないと思う時も同様です。何か自分自身が大きく変わらないと、目指すところに到達しないと何となく感じます。
このような時は自分の殻を破るような感覚が必要です。
努力をするという行為は、いわばバケツに水を溜めるような行為ですが、いつかバケツは満タンになってしまい、水が入らなくなってしまいます。
殻を破るというのは、今までの延長線上でなく、自分に変化を加えることです。言わば、バケツを新しいものに変えるということです。
パソコンで例をあげると、使用している容量が多過ぎると処理速度が低下します。それを解消するには、使用している内容を削るか、パソコンの容量自体を大きくするしかありません。
つまり、何かを諦めるか自分の器を大きくするしかないのです。
それでは「自分の殻を破る」「自分の器を大きくする」とは、具体的に何をすれば良いのでしょうか?
「毎日、あなたが恐れていることを1つ行いなさい」というのは、エレノア・ルーズベルト(第32代アメリカ大統領・フランクリン・ルーズベルトの妻)の言葉です。
人にはその行動スタイルにセオリーがあって、それから逸脱する行為に不安を覚えます。そのような行為を少しずつ自分の生活に加えていけば良いのです。
実際にその行動を起こすと、身体に言いようのない不安を感じます。
猫背の人が背中を伸ばして上を向いて歩く、会議で自分から意見を言ったことがない人が手を上げて話す、普段は行かない1人外食に行くなど、ある人にとっては簡単にできることでも、ある人はとても不安に感じることがあります。
そのような内容を少しずつ克服していくことで、小さな自信を積み重ねることができます。
エレノア・ルーズベルトの言葉のように毎日1つずつ克服していけば、おそらく大きな効果が出ます。しかし試してみるとわかりますが、それは想像以上に過酷な道のりです。
何か自分の今の課題、壁に関係がありそうなものを選んで、克服していくところから始めると良いと思います。例えば、自分の意見を言えなくて困っている人は、会議で自分の意見を言うことから始めてみると良いでしょう。それに慣れてきたら、また新しい挑戦というふうに続けていけば良いのです。
ひとつ守ってほしいのは、理屈で嫌と思うものではなく、身体が自然に不安を覚えるような、恐怖に近い感覚のものを選ぶことです。それが自分が克服すべき壁とつながっています。
小さな習慣から、新しいものに挑戦していくことで、続けた先に大きな効果を臨むことができます。
僕もひとつ試している習慣があります。機会があれば、その結果報告もしたいと思います。興味がある方は、ぜひ試してみてください。
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